和装本の修理 虫損治しの方法1 「繕い」の準備
和装本の材料である和紙は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの植物を原料としているため、保存方法が悪いと虫食いによる損傷が生じます。これを、虫損(ちゅうそん)と呼びます。
この虫損を修復する虫損直し(ちゅうそんなおし)の方法として、繕い(つくろい)、裏打ち(うらうち)、リーフキャスティングなどの方法がありますが、今回は繕い(つくろい)を紹介します。
まず、和装本をまとめている糸を切り、資料を1枚ごとの紙に解体します。和装本は貴重で長期間保存する必要のあるものが多いため、使用する材料の安全性にもっとも留意する必要があります。虫損治しに使用する和紙は不純物がよく取り除かれ、化学的処置が少ないものを選ぶことが肝要です。修復には繊維の長い楮(こうぞ)を原料とした楮紙(ちょし)を使うことが多いです。
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